マルチ商法の表と裏①〜⑤を5回に分けてお話ししています。
今日は3回目。
表側は、経営者になれる!と謳っているけど、実態は都合のいい労働者でしかないという裏側について説明します。
前回は「月収100万円」→「月収◯◯百円」についてお伝えしました。
③「経営者(社長)」→「会社にとって都合がいい労働者」
マルチ商法では、「会社員は時間もお金も自由にならない」と否定して、「経営者(社長)になって時間もお金も自由になろう」と誘います。
確かに会社員は、就労時間や休みが決まっているので、自分の好きな時間に仕事をすることは出来ないし、お給料も決まっているので自分の欲しい金額をもらえません。
だから、自分の好きな時間に仕事をして、目標を立てて欲しい金額を稼ごうと言うのですが、よく考えてみれば経営者(社長)の定義って、違いますよね?
経営者(けいえいしゃは)組織の経営について責任を持つ者のことである
社長(しゃちょう)とは会社や社団などにおける最高責任者の呼称
ちゃんと言葉にすると全然違いますね。
ビジネスに参加しても、マルチ会社に雇用されるわけではないので個人事業主になるのですが、この個人事業主になることを「経営者(社長)」と言っているのです。
でも現実は、経営者(社長)でありながら、システム(仕組み)、商材、価格、やり方等は自分で選べません。
ついでに上司(アップ)までくっついてきます。
そして会員の規約があるので、いつでも会社に権限があります。
マルチ会社から「退会処分」と言われたらそれでおしまい。
どんなに頑張ってタイトルを獲得しても、マルチ会社に「お前はいらない」と言われたら全てを失います。
もちろん何の保障もありません。
トラブルが起きたって、例え訴えられても会社は何もしてくれません。
だって、個人事業主ですから。
責任は、マルチ信者個人にきます。
会社員でいることを「会社に自分の人生を預けていいのか!」と否定しますが、会社を辞めたり解雇されたりすれば、何かしらの社会的な保障があります。
(全てではないですが)
マルチ会社にとってマルチ信者は、最も都合よく使えるよく働く労働者ですよね。
甘い言葉でその気にさせ、
すごい!と褒めてヤル気にさせ、
仲間と一緒に頑張ろう!と競争させる。
夢が叶う!
世の中に貢献する!
人のために働くのは素晴らしい!
自由を手に入れる!
特別な人生を生きる!
と叫び、純粋な人たちを「都合のいい労働者」にしてしまうマルチ商法は、本当に夢物語だと実感しています。
でもマルチ商法にハマってしまうと、こんな簡単なことですら冷静に考えられなくなってしまうのです。
マルチ信者の言い分
マルチ信者にこの真実を伝えると、
「経営者マインドでやるってことだ」と強く言い放ってきます。
そして、
・お店をオープンしてもすぐに繁盛するわけではないから、3年は赤字になるのも珍しくないが、マルチ商法は赤字にならない
・お店をオープンするには、初期投資にお金がかかるが、マルチ商法は初期投資はいらない
・ノーリスク、ハイリターン
・素晴らしい商品を扱える
・シムテムを1から考えなくても用意してくれている
・1人で頑張らなくていい
・仲間と支え合ってみんなで成功できる
・お店にずっといる必要がなく、どこにいても売り上げが上がる
・自分だけにメリットがあるわけではなく、相手にもメリットがある
だからこの会社(マルチ商法)は素晴らしい!と問題がすり替えられていきます。
セミナーやイベントに参加するたび、小さな小さな世界に押し込まれていくから、それが真実だと正当化してそれを信じるしかないんですよね。
最近、投資詐欺で「king」と呼ばれた人が逮捕されたニュースを見ました。
マルチ信者は、「あれはねずみ講だからダメ。うちは商品があるし合法なビジネスだから大丈夫」とでも言っているのかもしれませんね。
でも、扱う商品が現金か消耗品かという違いだけで、手口は全く同じ。
その現実に向き合うことはできないんです・・。
実は今日お話したことは、私がマルチ商法にハマっている頃に何度も周りから言われたことです。
ハマっていた頃は全く耳を貸しませんでしたが、だんだんと真実が見えるようになり、ようやく目が覚めて実感したことでもあります。
楽して金儲けをしたいという下心があり、右向け右!と言われれば喜んで右を向いていた自分を、とても恥ずかしく思います。
それでもマルチ商法を美化しますか?